最終更新 2026.08.09 掲載記事 67本

用語集

出版用語集|商業出版・本づくり・書店流通の42用語

経営者・専門家が出版を検討するときに調べる用語を、150冊超のプロデュース現場の知見で 1語ずつ自己完結で解説した。あわせて「ビジネス書ができるまでの流れ」「表紙デザインの作られ方」 「書店流通の仕組み」を図解で、出版4形態の違いを比較表でまとめている。 体系的に読むなら商業出版 完全ガイドへ。

図解: ビジネス書ができるまでの流れ(8ステップ・6ヶ月〜1年)

商業出版は企画から書店に並ぶまで6ヶ月〜1年程度かかる。各ステップの用語は下の用語集で詳しく解説している。

  1. 企画・出版企画書づくり 「誰の何を解決する本か」を固め、企画書に落とす(1〜2ヶ月)
  2. 出版社への持ち込み・企画会議 編集者に提案し、出版社内の企画会議で採否が決まる(1〜2ヶ月)
  3. 構成案・目次の確定 編集者と章立てを設計する。本の成否の大半がここで決まる
  4. 取材・執筆 著者が執筆、またはブックライターが取材をもとに執筆(2〜4ヶ月)
  5. 編集(赤入れ) 編集者が読者目線で原稿を再設計する
  6. ゲラ・校正・校閲 初校→再校と誌面の形で誤りを潰し、校了へ(1〜2ヶ月)
  7. 装丁・帯づくり 並行してブックデザイナーが表紙・帯を制作
  8. 印刷→取次→配本→書店へ 印刷・製本ののち取次経由で全国の書店に並ぶ(約1ヶ月)

比較表: 商業出版・企業出版・自費出版・Kindle出版の違い

4形態を分ける本質は「第三者審査」と「書店流通」の有無。費用の総額だけで比べると判断を誤る。

商業出版 企業出版 自費出版 Kindle出版
出版社の審査 あり(企画会議を通過)なし(費用で成立)なしなし
全国の書店流通 あり契約による(要確認)限定的なし
費用の負担者 出版社(著者負担なし※)企業(数百万円〜)著者(数十万〜数百万円)無料(代行は数十万円)
第三者証明としての信頼 ◎ 最も強い○ 流通条件次第△ 限定的△ 限定的
期間の目安 6ヶ月〜1年6ヶ月〜1年3〜6ヶ月数日〜数週間
向いている目的 権威性・ブランディング採用・企業ブランディング記念・作品を形にテスト・リード獲得

※ 商業出版でも、出版プロデュースを利用する場合はプロデュース費用・買取部数が発生する(買取参照)。

出版形態の基本

「どの出し方を選ぶか」で費用も効果も変わる。まず形態の違いを正確に押さえる。

商業出版 (しょうぎょうしゅっぱん)

出版社が企画を審査・採用し、出版社の流通網を通じて全国の書店に並ぶ出版形態。制作の主体もリスクも出版社側にあり、著者は「出版社という第三者に選ばれた」ことになる。自費出版・電子書籍との本質的な違いは費用の有無ではなく、書店流通と第三者審査の有無にある。経営者・専門家にとっては信用の可視化として機能する。

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企業出版(カスタム出版) (きぎょうしゅっぱん)

企業が費用を負担し、採用・ブランディング・営業支援など自社の経営課題を解決する目的で出版社と共同制作する出版形態。ブックマーケティングとも呼ばれる。書店流通の範囲や編集の主導権は契約により大きく異なるため、費用だけでなく「どの書店に・どれだけ並ぶか」の確認が選定の要点になる。

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自費出版 (じひしゅっぱん)

著者が制作費用を全額負担して本を作る出版形態。企画の審査がないため誰でも出版できるが、書店流通は限定的で、第三者に選ばれた証明としては機能しにくい。記念出版や作品集など、流通よりも「形に残すこと」自体が目的の場合に適している。

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共同出版(協力出版) (きょうどうしゅっぱん)

制作費用を著者と出版社で分担する形態で、自費出版と商業出版の中間に位置づけられる。「出版社も費用を負担する」という説明で自費出版に近い契約が結ばれるトラブルが過去に問題化した経緯があり、契約時は流通条件・費用内訳・買取部数を書面で確認することが必須になる。

Kindle出版(電子書籍出版)

AmazonのKindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)等を使い、審査なしで誰でも無料で出版できる電子書籍の出版形態。参入障壁が低い分、書店の棚に並ばず、権威の証明としての機能は限定的。代行業者が数十万円を請求するケースがあるが、出版の仕組み自体は無料で使える。

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POD(プリント・オン・デマンド)

注文が入るたびに1冊ずつ印刷して届ける出版・印刷方式。在庫を持たずに紙の本を販売でき、Amazonのペーパーバック等で利用される。絶版がない一方、書店の棚には並ばないため、流通面の性質は電子書籍に近い。

出版プロデュース

企画立案・出版企画書の作成・出版社への持ち込み・出版後のビジネス活用までを、出版業界の知見を持つ専門家が伴走するサービス。著者はプロデュース費用を負担するが、本の刊行形態は出版社の審査を通る商業出版であり、自費出版の代行とは異なる。会社によって費用・期間・買取条件が大きく違うため比較検討が必要。

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ブックマーケティング

書籍を広告・販促の媒体として使うマーケティング手法の総称。1冊の本は名刺やWeb広告と違い「読了までの数時間、経営者の考えを独占的に伝えられる媒体」であり、高額商材・無形サービスの見込み客育成に使われる。企業出版・出版プロデュースはこの手法の実行手段にあたる。

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本づくりのプロセス

企画から刊行まで、ビジネス書は多くの専門職の手を経て作られる。工程の用語を知ると出版社との会話が速くなる。

出版企画書

出版社に企画を採用してもらうために作る提案書。タイトル案・著者プロフィール・想定読者・類書との差別化・構成案・販売協力(著者が何部売れるか)などで構成される。編集者は毎月大量の持ち込みを受けるため、「なぜこの著者がこのテーマを書くのか」が一読で伝わることが採用の分かれ目になる。

持ち込み (もちこみ)

著者や出版プロデューサーが出版社に企画を提案すること。面識のない出版社への持ち込みは採用率が極めて低く、編集者との人脈・過去の実績を持つ仲介者を経由するかどうかで通過率が大きく変わる。出版プロデュース会社の価値の中核はこの「編集者との接点」にある。

編集者・編集 (へんしゅうしゃ)

企画の採用判断から、構成づくり・原稿への赤入れ・タイトル決定・装丁の発注まで、本づくり全体の指揮を執る出版社側の責任者。「編集」は誤字を直す作業ではなく、読者に届く形へ本を設計し直す仕事を指す。ビジネス書では「著者が書きたいこと」を「読者が読みたいこと」へ変換するのが編集者の中心的な役割になる。

ブックライター(ゴーストライター)

著者への取材をもとに原稿を執筆する専門家。多忙な経営者の商業出版では、著者が語った内容をブックライターが構成・執筆する制作体制が一般的で、著者の時間負担を取材数回分に抑えながら書籍の品質を保てる。内容の主体はあくまで著者本人の知見・経験であり、出版業界では確立された分業として扱われる。

構成案・目次案

本の設計図にあたる章立ての案。ビジネス書は「読者の悩み→原因→解決策→実践」の流れで章を組むのが定石で、執筆前に編集者と構成を固めてから書き始める。構成が決まれば本文はその展開作業になるため、本づくりの成否の大半は構成段階で決まると言われる。

ゲラ(初校・再校)

印刷前に本と同じレイアウトで出力される校正用の試し刷り。著者と編集者はゲラ上で誤りや表現を直し、1回目を初校、2回目を再校と呼ぶ。校了(これ以上直しがない状態)になると印刷所へ回り、以後の修正はできなくなる。

校正・校閲 (こうせい・こうえつ)

校正は誤字脱字・表記ゆれなど文字の誤りを正す作業、校閲は事実関係・数字・固有名詞の正しさまで踏み込んで検証する作業。商業出版では出版社側の専門校閲が入ることが多く、この第三者チェックの厚さが、審査のない自費出版・電子書籍との品質差になって表れる。

装丁(ブックデザイン) (そうてい)

表紙・カバー・帯・本文レイアウトなど、本の外見全体のデザイン。専門のブックデザイナー(装丁家)が担当し、書店の棚で数秒で手に取らせる視認性と、タイトルの読ませ方を設計する。ビジネス書の売上はタイトルと装丁で大きく変わるため、編集者が最も時間をかける工程のひとつ。

帯(オビ) (おび)

カバーの下部に巻かれる宣伝用の紙。キャッチコピー・推薦者コメント・実績数字などを載せ、書店で手に取らせる「最後のひと押し」を担う。著名人の推薦帯は本の信頼を借りる仕組みとして機能し、重版時に帯だけ差し替えて「◯万部突破」と訴求する運用も一般的。

奥付 (おくづけ)

本の巻末にある発行情報のページ。著者名・発行者・出版社・発行日・刷数(第◯刷)・ISBNが記載され、その本の「戸籍」にあたる。増刷されるたびに刷数が更新されるため、奥付を見ればその本が何回増刷されたかがわかる。

ISBN

世界共通の書籍識別コード(International Standard Book Number)。日本では書籍JANコードとともに本のバーコードとして印刷され、書店・取次・図書館の流通管理はこの番号で行われる。ISBNが付いていることは、流通に乗る「商品としての本」であることの前提条件になる。

判型(四六判・A5判・新書判) (はんけい)

本の仕上がりサイズの規格。ビジネス書の標準は四六判(127×188mm前後)で、実用書・図解本ではひと回り大きいA5判、携帯性重視の新書判も使われる。判型はページ数・価格・棚での見え方に直結するため、企画段階で編集者が読者層に合わせて決める。

ページ数・文字数の目安

ビジネス書は200〜250ページ前後、文字数にして8万〜12万字程度が一般的な水準。これより薄いと書店の棚で背表紙が目立たず、厚すぎると価格が上がり読了率が下がる。「1章=1万〜2万字×6〜8章」が構成の目安としてよく使われる。

出版までの期間

企画スタートから書店に並ぶまで、商業出版では6ヶ月〜1年程度が一般的な水準。内訳は企画・出版社決定に1〜3ヶ月、取材・執筆に2〜4ヶ月、編集・校正・装丁・印刷に2〜3ヶ月程度。「今すぐ出したい」ができない媒体だからこそ、逆算した出版計画が必要になる。

図解: 表紙デザイン(装丁)ができるまで

表紙は著者の好みではなく「書店の棚で数秒で選ばれるか」から逆算して作られる。

  1. タイトル・コンセプトの確定 編集者が売り場とターゲットからタイトルを最終決定。装丁はタイトルを最大に見せる器になる
  2. ブックデザイナーへの発注 編集者が本の内容・読者層・類書の棚を伝えて依頼する
  3. ラフ案の提示(複数案) 書体・色・写真/イラストの方向性が異なる複数案から絞り込む
  4. 「棚での視認性」チェック 書店の棚で数秒で読めるか、類書に埋もれないかを縮小表示や棚差し想定で確認
  5. 帯コピー・推薦者の決定 キャッチコピーと推薦帯で「最後のひと押し」を設計する
  6. 色校正→入稿 印刷の色味を試し刷りで確認し、印刷所へ入稿して完成

書店流通の仕組み

本が全国の書店に並ぶ裏側には、他の商品にはない特殊な流通制度がある。

取次(とりつぎ)

出版社と書店の間に立ち、本の配送・代金回収・在庫管理を担う流通の中間業者。書籍の問屋にあたり、日本の書籍流通の大部分が取次経由で動く。出版社が取次と口座を持っているかどうかが「全国の書店に配本できるか」を左右するため、自費出版系サービスとの流通力の差はここで生まれる。

書店流通 (しょてんりゅうつう)

取次を経由して全国の書店に本が配本される仕組み。商業出版と自費出版・電子書籍を分ける本質的な違いであり、書店の棚に並ぶことは「出版社という第三者に選ばれ、社会に流通している」ことの物理的な証明になる。経営者の出版がブランディングとして機能する根拠はここにある。

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配本 (はいほん)

取次が新刊を全国の書店へ振り分けて送ること。どの書店に何冊届くかは、出版社の実績・事前注文・書店の規模などから決まる。初速の売上は配本の質に大きく左右されるため、出版社・著者による書店営業や事前予約の積み上げが配本を厚くする打ち手になる。

委託販売制度・返本 (いたくはんばい・へんぽん)

書店が売れ残った本を取次経由で出版社に返品できる、書籍流通に特有の制度。書店は在庫リスクを負わずに新刊を並べられる一方、出版社は返本リスクを負う。出版社が企画を厳しく審査するのは、この「売れなければ返ってくる」構造で自社がリスクを取るためである。

平積み・面陳・棚差し (ひらづみ・めんちん・たなざし)

書店での本の並べ方の用語。表紙を上にして積むのが平積み、棚で表紙を正面に向けるのが面陳(めんちん)、背表紙だけ見せて並ぶのが棚差し。露出面積は平積み>面陳>棚差しの順で、売れ行きと書店の判断によって置かれ方が日々入れ替わる。

再販売価格維持制度(再販制度) (さいはんせいど)

出版社が決めた定価で全国どこの書店でも販売される、書籍・雑誌など著作物に認められた制度。本が原則値引きされないのはこの制度のため。価格競争ではなく内容で選ばれる市場が保たれる一方、書店側は価格で集客できないため、棚づくり・フェアなどの提案力が書店の競争軸になっている。

書店営業

出版社の営業担当(または著者自身)が書店を回り、新刊の陳列・展開を働きかける活動。POPの設置、地元著者フェアへの参加、サイン本の配置などが典型で、著者の地元・業界に強い書店から売り伸ばすのが定石になる。

重版・増刷 (じゅうはん・ぞうさつ)

初版が売れたあとに追加で印刷すること。出版社の利益は主に増刷以降で生まれるため、「重版がかかる」ことは商業的成功の指標とされる。著者にとっては本が書店に並び続ける期間が伸びることを意味し、「◯刷」「◯万部突破」は帯やプロフィールで使える実績になる。

絶版・品切れ重版未定 (ぜっぱん)

出版社がその本の増刷・販売を終了すること。実務では「品切れ重版未定」という状態が長く続くケースが多い。紙の本には寿命がある一方、電子版やPODを併用すれば入手可能な状態を維持できるため、刊行時に電子化の契約条件を確認しておくことが望ましい。

図解: 本が書店に並ぶまでの流通経路

出版社 取次 全国の書店 読者

売れ残った本は委託販売制度により書店→取次→出版社へ返本される。 出版社が企画を審査するのは、この返本リスクを自社が負うためである。

出版とお金

「いくらかかるか」だけでなく「どう回収するか」までがお金の話。誤解の多い用語を正確に。

出版の費用相場

商業出版は原則として著者の費用負担がない(出版社がリスクを負う)。一方、出版プロデュースは数百万円規模、企業出版は数百万〜1,000万円超、自費出版は数十万〜数百万円が一般的な水準になる。金額の差は主に「書店流通の質」「制作体制」「買取部数」から生まれるため、総額だけでの比較は危険。

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印税 (いんぜい)

本の売上に応じて著者に支払われる著作権使用料。紙の書籍では定価の5〜10%程度が一般的な水準で、契約により発行部数ベースか実売ベースかが異なる。経営者・専門家の出版では、印税収入そのものより、出版をきっかけとした本業の売上(顧問契約・講演・採用など)のほうがリターンの主軸になることが多い。

出版後の回収・活用の記事一覧 →
初版部数 (しょはんぶすう)

最初に印刷される部数。ビジネス書の初版は1,000〜5,000部程度が一般的な水準で、著者の知名度・企画の市場性・事前注文の量から出版社が決める。部数の大小よりも「どの書店に・どれだけの期間並ぶか」という流通の質が、ビジネス活用の観点では重要になる。

買取(買い取り条件) (かいとり)

出版契約の際に、著者が自著を一定部数購入する条件のこと。出版プロデュースや企業出版の契約でしばしば設定され、買取部数×単価が総費用を大きく左右する。買取した本は献本・セミナー配布・紹介者への手渡しなど営業ツールとして使えるため、「何部を・いくらで・何に使うか」まで含めて費用対効果を判断する。

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発行部数と実売部数

発行部数は印刷した部数、実売部数は実際に売れた部数で、両者は一致しない。「◯万部突破」の広告は通常発行部数を指す。委託販売制度がある書籍流通では返本が起きるため、出版社・著者間の印税契約がどちらのベースかは契約書で確認すべき重要項目になる。

図解: 印税の仕組み——「定価 × 印税率 × 部数」で決まる

印税の計算式はシンプルで、定価 × 印税率(紙は5〜10%程度)× 部数。 契約が「発行部数ベース」なら刷った部数ぶん、「実売ベース」なら売れた部数ぶんが支払われる。 以下は定価1,500円・印税率8%の例(実際の率・条件は契約による)。

ケース計算印税額
初版のみ(ビジネス書の standard な出発点)1,500円 × 8% × 5,000部60万円
増刷がかかり累計2万部1,500円 × 8% × 20,000部240万円
ベストセラー級・累計10万部1,500円 × 8% × 100,000部1,200万円

電子書籍は印税率が高め(15〜25%程度が目安)だが、文字ものの電子市場自体が小さい(データ)。 経営者・専門家の出版では、印税より本業へのリターンが回収の主軸になる。

出版後の活用

ビジネス出版は刊行がゴールではない。本を経営に効かせるための用語。

献本 (けんぼん)

本を関係者・見込み客・メディアなどに無料で贈ること。単なる挨拶ではなく、「読了までの数時間を独占できる営業ツール」として設計して使うのが実務的な活用法で、誰に・どんな一筆を添えて・どの順番で届けるかまで決めて初めて効果が出る。

Amazonキャンペーン

発売直後に購入を特定期間へ集中させ、Amazonランキングの上位表示を狙う販促手法。「カテゴリ1位」の実績はその後のプロフィール・帯・LPで長く使える。ただしランキングは瞬間風速であり、本業への効果は書店流通・継続露出との組み合わせで決まる。

出版記念パーティー

刊行を記念して著者が主催するイベント。人脈への披露の場であると同時に、会費設定やクラウドファンディングと組み合わせて出版費用の一部を回収する設計にも使われる。出版を「ゴール」ではなく事業拡大の「スタート」にする代表的な活用手段。

出版後の回収・活用の記事一覧 →
クラウドファンディング出版

出版費用や初版買取の原資をクラウドファンディングで集める手法。支援者は「本の完成を応援した当事者」になるため、刊行後の口コミ・拡散の起点にもなる。出版記念パーティーと組み合わせ、費用回収と披露を同時に設計する使い方が実務では多い。

著者プロフィール(著者略歴)

本の袖や奥付に載る著者の経歴。読者が「この人の言うことを信じるか」を判断する材料であり、ビジネス書では実績の数字・肩書き・専門領域を絞って書くのが定石。刊行後は「著書に『◯◯』(出版社名)」という一行が名刺・Web・登壇プロフィールで機能し続ける。

書籍の二次活用

刊行した本の内容を、セミナー教材・研修プログラム・Web記事・音声配信などへ展開すること。1冊の本は体系化された知見の在庫であり、二次活用によって出版投資の回収面を増やせる。電子版・オーディオブック化の権利が契約上どちらにあるかは事前確認が必要。

本にまつわる素朴な疑問集

用語の定義からは少しはみ出す「そもそも」の疑問に、150冊超の現場感覚と公式データ(出版業界データ)で答える。

Q. 出版社って全国に何社あるの?

直近の集計で約2,900社(2020年)。ピークだった1997年の4,612社から約4割減った。出版社が減る=編集者の企画枠が減ることなので、商業出版の「審査を通る」価値はむしろ上がっている。

出版社数の推移データ →
Q. 本って1年に何冊出ているの?

書籍の新刊だけで年間64,905点(2023年)。1日あたり約178点の新刊が書店に流れ込んでいる計算になる。「出せば見つけてもらえる」市場ではないため、企画の差別化と出版後の活用設計が必要になる。

新刊点数のデータ →
Q. なぜ本は値引きされないの?

再販売価格維持制度(再販制度)により、出版社が決めた定価で全国どの書店でも売られるため。本は価格でなく内容で選ばれる商品として流通が設計されている。

再販制度の用語解説 →
Q. 何万部売れたら「ベストセラー」?

公式な基準はない。ビジネス書は初版1,000〜5,000部が出発点で、増刷がかかれば商業的成功、累計数万部で「よく売れた本」と扱われるのが実務感覚。経営者の出版では部数より「誰に届いて何が変わったか」が本質になる。

重版・増刷の用語解説 →
Q. 印税だけで生活できる?

初版5,000部・定価1,500円・印税率8%なら約60万円で、印税収入だけで生活するのは著名作家でも一部。経営者・専門家の出版は、印税ではなく本業への効果(顧問契約・講演・採用・紹介)でリターンを回収する設計が基本になる。

印税の仕組みと計算例 →
Q. 著者は表紙のデザインを選べるの?

商業出版では表紙は編集者とブックデザイナーが「書店の棚で選ばれるか」から逆算して決めるのが基本で、著者の希望は伝えられるが最終決定権は出版社側にあることが多い。企業出版・出版プロデュースでは著者側の関与度が高くなる。

表紙デザインができるまでの図解 →
Q. 出版までどれくらい時間がかかる?

商業出版は企画スタートから書店に並ぶまで6ヶ月〜1年程度が一般的。「今すぐ出したい」ができない媒体だからこそ、事業計画から逆算した出版計画が必要になる。

出版までの期間の用語解説 →
Q. 紙の本はなくなるの?

電子出版は伸びているが、その9割超はコミック。ビジネス書を含む文字ものの電子書籍は出版市場全体の約3%にすぎず、経営者の本の主戦場は今も紙×書店流通である。書籍(紙)の販売金額は直近で前年並みを保っている。

電子出版の内訳データ →
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